なんさんへ・4

謝罪については、もうほんとにお気になさらずだし、むしろなんさんに謝らすキッカケ作ったのは私のほうなので、こちらこそ申し訳ない。

 

さてさて

 

「個々の人間、違いがある前提がなくて、同一価値観共有の強制感が苦手なのだ!」

これすごーく共感する。

そして、「同性同世代集団」でこの強制感が発生しやすいから結果として苦手になる、と見立てた。

 

健康の問題で私は学校生活が限りなくゼロに近い人生なんだけど、もし世間並みに登校してたら息子さんと似た道を辿った可能性大ありだな。

そして職種/職場によっては「強制感」が強いとこもあるから、お話を見る限り息子さんは当たりを引いてよかったなあと思う。

 

逆に、人と価値観を共有したい、帰属するグループや場所が欲しい、て人ももちろんいるわけで、そういう人は良い居場所が見つかるといいねとも思う。

 

ここまでは学校や職場のことだったけど、実は趣味の世界にも似たような現象があって、例えば車についていうと同好会やオーナーズクラブなるものがあり、イタリアとかフランスとかの国縛りだったり、特定のメーカー縛りだったり、さらにそのメーカーの中でもこの車種(ポルシェの、911の、1973年まで作られた通称ナローだけ)とか、それぞれにルールや規約を作ってるところが多いし、歴史のあるクラブだと入会審査もある。

 

何十年もまえの、いまや工業文化財みたいな車がゴロゴロしてるから、傷めない正しい運転や取り扱いかたを教えてもらえたり、メーカーが取り扱いをやめたスペアパーツをお金出し合って加工会社に作ってもらったり、クラブとしての意義はちゃんと果たしてる反面、よく聞くのが伝統に縛られすぎて自由な空気がない、とか、古参メンバーからの干渉(同調圧力)がつらい、とかの話なのよ。

 

で、それを嫌って、とにかくなんでもあり、国も車種も関係ない、なんなら免許持ってなくても車大好きならウェルカム!てクラブもあったりね。

 

まあこんな話はどこにでもあるもんですわ。

 

車好きの価値観共有派がどんなもんか。

車雑誌でカーグラフィックって本があるんだけど、そこの創刊メンバーで初代編集長の小林彰太郎さんて人がいて(最初のブログのキーワード群にもお名前を入れてた)、この方が英国派のイメージをみんなに持たれてて、実際に持ってた車も英国車が一番多く、ご自身の服装やなにかも英国調だったのね?

それが雑誌創刊から10年後くらいに、普段乗りの車をイタリアのアルファロメオに買い換えられたのさ。

そしたら編集部宛に読者から抗議が来るわ来るわ……。

「小林さんともあろうお方がアルファなんて有り得ない」「あなたに裏切られるなんてショックだ」「いますぐ売り払って英国車を買ってください」「小林さんには似合いません」「なんであんな下品な車にしたんですか」

一番多かったのが「カーグラフィックは二度と買わないし読みません」

ほんとに定期購読の解約も数件あったらしいよ。

いまでいう大炎上。

 

小林さん自身は「これまで選んできた車は私の都合、家族の事情や意見、折々の条件で決めたらたまたまイギリス製が多かっただけで、自分は英国車しか乗らないなんて一度も言ったことないし、私のプライベートに属することなのでどうか好きにさせてほしい」て誌面に書かれたけどね。

 

 

 

学校だの職場だの、あと住んでる地域も含むかな? そんな各所で価値観の強制をされると、いやだからよそへ行きますね、と簡単に言えないし出来ないのがほんとつらい。

それもつらいし、趣味の分野までそんなことが追いかけてくると、もうほんと勘弁してくれってなるし、そんなもんいらないったらいらない。

 

もうひとつ、なぜ価値観の強制を遠ざけておきたいか。

最初はうっとうしいなと感じてても、刷り込み効果で自分が徐々に自信を失ってくこと。

強制をしてくる人って、本人の信念は確固としてて、強い言葉や態度で繰り返しガンガン押してくるケースが多い。

 

そうするとねえ、気づかないうちに揺らいでくるんですよ。こっちの価値観が。

それが怖い。

 

で、私が一番苦手なのが「男らしさ」を強要されること。

ここで、なんさんからのブログの冒頭に戻るんだけど、女性と間違えてたすいません、てなんさんが謝ってくれたの、全然すいませんじゃないし、むしろ、おお女性だと思ってもらえてたのよかった、とすら言いたい。

 

男性として生きることに違和感はないし、性愛対象も女性だからトランスジェンダーではなさそう。ただしアセクシュアルの疑いは抱いてる。彼女がいたことないし、いまも恋愛は求めてないから。

 

でも、男性性を表に出すのは嫌だし「男らしさ」を求められるのも強制されるのもごめんこうむる。

なぜかわからないけどずっとそう。

 

ちなみに男性恐怖症の女性と数人知り合ったんだけど、私は怖くないらしい。

彼女たちも、オーラさんは普通に男性だし何がどうなってるのかよくわかんないけど側にいられたり話しかけられても平気、だそうだ。

 

だから、男性恐怖症の彼女たちに受け入れてもらったときも、なんさんから女性かと思ってたと言われたときも、ああよかった、男っぽさをうまく抑えられてた、と思ったオーラ猫でした。

 

自分語りが長くなってごめんね。

 

そして、オーケン大槻ケンヂ。教えてくれてありがとう!

いろんな分野で活躍してる、引き出しの多い人なんだね。

なるほどー、ファンからはそう呼ばれるのかー。

スッキリしました!

 

ではまた。

 

オーラ